建築の施工は、大変だと思うこともありますが、非常にやりがいがあります。
その面白さを伝えたく、この企画(できるまで日記?!)をしました。
工事の前に設計図面を頂きますがmこれで工事が出来るかというとそうではありません。
設計図を基に、雨漏りをしない様、またディティールがきれいに見えるよう納まりを考えます。
それは施工図として形にするのですが、
実際のものを作る前に、いかに施工図を作るかが、工事の出来を決めます。
今回、建築関係者以外の方が見てもあまり分からないかもしれませんが、
非常に難易度の高い建物でありました。
「もっとこうすれば良かった」という面も残っていますが、
大変だっただけに、出来て非常にうれしかったです。
このうれしさを感じる為に、日々私たちは建築工事を行っています。
少しでも多くの方に建築に興味を持っていただき、建築を志す方が増えればと思う次第です。
何気なくできているように見えますが、普通に作ってしまうと雨漏りをしてしまうところだらけです。
ガラス枠とコンクリートの取合い、ガラス枠とタイル外壁部分の取合い、ガラス枠が▽になっているところの
最下部等々。これらを検討したものが上記図面です。
見えないところに捨て水切りを入れたり、コンクリートに段差や目地を設けて、雨漏りが無いようにかつ、
意匠を損ねないように工夫しました!!
外壁につくガラス枠とトイレの屋根(合板部)の隙間を均一にするのに苦労しました。
軒先には樋がありません。水をうまく切り、かつ万が一軒先で頭をぶっても危なくないようにRを付けた軒先水切りを考案し作りました。形状決定に当たっては、設計者・協力業者と、決定したかと思う案を何度も何度も練り直したものです。各所のカドの部分が何事もなく納まっていますが、普通はこうはいきません。協力業者様の施工図力に助けられた部分です。
その1柱が鉄筋コンクリートで、屋根だけ鉄骨造です。
その2通常H型鋼を骨組みに使いますが、今回はカットTを使っています。
通常H型鋼が「工」の向きに使いますが、これを高さの中央で半分に切ると「T」字型のものが出来ますが、その部材を使って屋根を支えています。
なお仕上がった天井に灰色のデッパリが出てきているのが、カットTの先端です。
その3東側にタイルの壁があるものの、それ以外に外壁はありません。
なお、「ナナメ満載」の部分で触れませんでしたが、地上のコンクリートの壁を作るのにあえて柱と壁を2回に分けてコンクリートを打設しました。
コンクリートを打ち込むのに対して、(壁上部がナナメであることから)難易度が高かったのです。